2009年 03月 11日

重力奏法のメリット

前回の記事で、検索ワードランキングで、重力奏法が5位だったと書いた。
前に、小さい子に脱力奏法を教える場合という記事を書いたけど、脱力奏法も重力奏法も似たようなものである。
イコールではないかもしれないけど、力を抜かなきゃ、重さで弾けない、ということだ。
定義は曖昧だけど、重力奏法、という名称がどうやらわかりやすいようだ。
ということで、我々の教え方の最大の特徴である重力奏法のメリットについて書きたい。

日本でどれくらい重力奏法が浸透しているかは、何とも言えない。
また、重力奏法そのものが、日本で言われるようになったのがいつからかはわからない。
日本全国を見渡すと、どうなのかはわからないが、重力奏法はまだ少数派なのだろうか?

私の場合、父が脱力、重力で教え方をしてくれたから、運が良かった。
自分で思いついたらしい。
実際、父の弟子も、私の弟子も、ほとんどが重力奏法を使えるようになる。


重力奏法については何回か書いてきたけど、メリットをいくつか書いてみよう。

まず、腕が疲れにくい。
よく、腕に湿布を貼って練習している、という話を聞くが、重力奏法を使えるようになると、そういうことはまず無くなる。
モーツァルトのソナタでも、湿布を貼って練習していた、という人もいたけど、ウチで習うようになってから、ショパンのエチュードを弾いてもほとんど疲れなくなった。

音がきれいになる。
ただし、これは好みの分かれるところだが…
重力奏法じゃないと出せない音色は、小さい音がキラキラした種類の音色。
こういう音は、小さくても、遠くに届く音色だ。
逆にやわらかい音は、むしろ鍵盤を押しつけた方が出せることも。
もしくは、手の内側の筋肉を弛緩させ、クッションのように作用させるのも良い。
色々な弾き方が出来た方が良い、ということだ。

練習効率が上がる。
たぶん、半分以下の練習量で、倍ぐらいの効果が得られるのではないか?

最後に、難しい曲を弾く労力が半減する。
ショパン、リスト、ラヴェル、ラフマニノフのような高度なテクニックを要求される曲を弾くには、重力奏法がとても重要だと思う。
これは重力、というより、脱力、と言った方が納得していただけるかもしれない。
この人達の曲は、跳躍がよく出てくる。
跳躍は力を抜いた方が断然やりやすいし、ミスも減る。

私は古典派の曲を弾く場合も、重力奏法を使った方が綺麗に聴こえると思う。
重力奏法の方が鮮やかで良いと思うけどね。
言葉では重力奏法、って、なにやら重々しい感じだけど、軽いタッチで弾く時も、腕の重さの乗せ具合を調整して音を出している。

まぁ、いつも書いていることだけど、何が正しいかはわからないのだ。
重力奏法は、色々ある弾き方の、一つの手段に過ぎないのだから。

でも、アルゲリッチとかアシュケナージとか、また、先日N響アワーでラフマニノフを弾いていたユジャ・ワンなど、圧倒的なテクニックを持つピアニストは、みんな重力奏法だ。
アシュケナージは最近は指揮する姿ばかり見るけど。
それと、昔からロシアのピアニストは、重力奏法を駆使した弾き方をする人がほとんど。
ロシアから優れたピアニストがたくさん出ている理由は、その伝統があるからだろう。


※後で思ったのだが、アシュケナージの音色は、重力奏法のそれとはちょっと異なるかも・・・?



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by asahimamegoo | 2009-03-11 15:35 | ピアノ奏法


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