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村田ピアノ教室のブログ ~北海道旭川市より~

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2015年 12月 22日

4スタンス理論とピアノ

ピアノを教えるうえでの重要なテーマの一つが、合理的なピアノ奏法。
ネット上でも奏法に関する情報が氾濫しているわけだが、その中から必要なものと不必要なものを区別しなければいけないわけだが。

ワタクシが重視するのは主に3つ。

重力奏法。

アレクサンダー・テクニーク。

そして、4スタンス理論。

・・・

ピアノを弾く時、動かしやすい関節は、、、
手首?
それとも肘?

生徒を観察していると、両方のタイプがいる。

手首を柔軟に動かす人は、肘は動かしにくく、
逆に肘を柔軟に使う人は、手首をあまり動かさない。


これは、スポーツトレーナーの廣戸聡一氏の4スタンス理論を勉強すると、なるほど、と思う。

人間が自然な状態でいる時の重心の位置は4タイプあり、そのタイプに合った動きをすることで最大限の力が出せる、というもの。
詳細を書き始めると長~~~くなってしまうので、大雑把に触れると、

まずは、前後
重心が前(つま先側)にかかると安定する、Aタイプ
重心が後(かかと側)にかかると安定する、Bタイプ

次に、内と外
重心が内側の、1タイプ
重心が外側の、2タイプ

それらを組み合わせて、
A1、A2、B1、B2
の4つに分類され、そのタイプによって体の使い方が異なる。
廣戸氏は、人によってこのような違いがあるので、それぞれのタイプにより、指導法を変えるべきだと仰られる。


これ、ピアノにも当てはまるように思われる。
先に触れた、手首を柔軟に動かせるのは、Aタイプ。
肘を動かせるのが、Bタイプ。

ちなみにワタクシは、A2タイプ。
つま先と外側に重心がかかるタイプ。
ピアノを弾く時は手首は動かせるが、肘を動かすとすごーく弾きにくい。。。

だからAタイプの私がBタイプの生徒に対して、自分のやりやすい基準で手首を柔軟に動かすよう指導してもうまくいかないのである。


これに関してはまだ研究中だが、世界の第一級のピアニストを見ても、A、Bの区別はある程度はつけられる。
(1タイプか2タイプかは、映像だけではまだちょっと、、、)

Aタイプはたとえばこの人。(たぶん、笑)



エフゲニー・キーシン
ショパン作曲 英雄ポロネーズ




ネルソン・フレイレ
ショパン作曲 ピアノ協奏曲第2番 より 第2楽章
奏法に関してはフレイレの動画をかなり研究したのだが、同じAタイプだからそこに自分の理想を描いたのかもしれない。


Bタイプはこの人たち。(たぶん)



グリゴリー・ソコロフ
シューベルト作曲 3つのピアノ曲D946 より 第2番




エミール・ギレリス
ベートーヴェン作曲 ピアノソナタ第28番


ピアノを弾くのに4スタンスのどれが向いているかはおそらく関係ない。
それぞれが自分に合った弾き方をし、安定して高度なテクニックを獲得し、素晴らしい音楽を作り上げた。
表現をするにも、テクニックがあってこそ。

レッスン時も、生徒がA、B、どのタイプかの特徴を見極めて、それに合った弾き方をアドバイスすることが必要となる。
と言ってもこの4スタンス理論は目的ではなく手段に過ぎないゆえ、それにとらわれすぎることなく、ほどほどに。。。

もちろん、弾ける人は特に気にしなくて良い理論。
問題は、弾けない人を弾けるようにするにはどうするか。
この4スタンス理論、そういう面で意外と役に立っている。



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エゾリスくん、キミは何タイプ???




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by asahimamegoo | 2015-12-22 14:35 | ピアノ奏法


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